やさしいアーユルヴェーダ体質診断|毎日できるセルフケアのヒント
アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダでは、個々の体質(ドーシャ)に合わせたケアを大切にしています。
自分の体質(ドーシャ)を知ることで、食事や生活習慣を少し調整するだけで、心身のバランスを整えやすくなります。
しかし、自分の体質(ドーシャ)をきちんと把握している人は意外と少ないもの。
この記事では、簡単にできるセルフチェックの方法や、ドーシャごとの特徴、不調が出やすいときの注意点をまとめました。
自分に合ったセルフケアを見つけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
アーユルヴェーダ体質診断ではなにがチェックできる?

アーユルヴェーダの体質診断では、自分がどの体質(ドーシャ)に傾きやすいのかを知ることができます。
診断では、体格や肌の状態、消化力や睡眠の質、性格の傾向やストレスの感じ方といった心身の特徴を幅広くチェックしていきます。
その結果から自分の体質(ドーシャ)がわかり、毎日のセルフケアや食事の選び方がスムーズになるのです。
アーユルヴェーダの基本的な考え方

アーユルヴェーダは、約5,000年前にインドで生まれたといわれる伝統医学です。
「生命の科学」と呼ばれることもあり、人の心や体の健康は自然界とのバランスに深く関わっていると考えられています。
ここでは、アーユルヴェーダの基本を紹介していきます。
3つのドーシャ
アーユルヴェーダでは、人の体や心の状態を自然界の要素である「風・火・水」の3つのエネルギーに分類し、それをドーシャと呼びます。
この3つは誰もがすべて持っていますが、人によって優勢なエネルギーが異なるため、体質や性格の傾向に違いが生まれます。
| ドーシャ | エネルギー要素 | 主な特徴 | 傾向・注意点 | 苦手な季節 |
|---|---|---|---|---|
| ヴァータ(風) | 空・風 |
・痩せ型で乾燥しやすい ・冷えやすい ・動作が素早い ・創造性が高い |
・疲れやすい ・不安や不眠になりやすい |
秋・冬 |
| ピッタ(火) | 火・水 |
・中肉中背で筋肉質 ・肌に赤みが出やすい ・食欲旺盛 ・情熱的で知的 |
・怒りっぽくなる ・胃腸の不調や炎症が出やすい |
夏 |
| カパ(水) | 水・地 |
・がっしり体型 ・持久力がある ・肌や髪に潤いがある ・穏やかで忍耐強い ・安定感がある |
・痩せにくい ・だるさや無気力になりやすい |
春 |
プラクリティ(生まれ持った本質体質)とヴィクリティ(乱れた体質)
生まれつき備わっている体質はプラクリティと呼ばれます。
これは、果樹でいえば種や幹の強さのようなもの。
骨格や体格、性格の傾向、体力の土台といった部分に現れ、一生を通して大きく変わることはありません。
一方、ヴィクリティは季節ごとの気候や手入れの仕方で変わる枝葉の状態に似ています。
生活習慣やストレス、環境の影響を受けて、疲れやすさや不調、気分の波として表れます。
プラクリティから大きく外れてしまうと、樹木が病害虫や乾燥で弱るように、心身への負担が増えてしまうのです。
だからこそ、自分の本来の幹(プラクリティ)を理解しつつ、今の枝葉(ヴィクリティ)を観察して手入れすることが大切です。
そうすれば、果樹が季節ごとに実りをつけるように、心と体のバランスを無理なく整えることができます。
体質を知ることが日常のセルフケアにつながる理由
自分の体質を知っておくと、セルフケアの選び方がぐっと楽になります。
ヴァータ体質は冷えや乾燥に弱く、風に揺れる若木のように不安定になりやすいので、温かい食事や規則正しい生活が助けになります。
ピッタ体質は暑さや刺激に弱く、強い日差しで葉が焼ける果樹のように影響を受けやすいため、涼しい環境や穏やかな運動を取り入れるのがおすすめです。
カパ体質はため込みやすく、実りすぎて重たくなる枝のように体が重くなりがちなので、軽い運動や温めるスパイスが役立ちます。
このように、日常のちょっとした工夫で、自然と心身のバランスを整えられますよ。
セルフチェックでわかる!アーユルヴェーダ体質診断の方法

アーユルヴェーダの体質診断は、質問に答えていくセルフチェックでも手軽に試すことができます。
自分のタイプをチェックすることで、体調を管理したり生活習慣を見直したりするための良いきっかけになるでしょう。
無料でできる!簡単チェックシート
以下の質問について、自分に最も当てはまると思う項目をチェックしてください。
ヴァータ・ピッタ・カパの中で、最も多くチェックしたものがあなたのドーシャになります。
| 質問 | ヴァータ(Vata) | ピッタ(Pitta) | カパ(Kapha) |
|---|---|---|---|
| Q1. 体型は? | 痩せ型で筋肉がつきにくい | 中肉中背で筋肉質 | がっしりして太りやすい |
| Q2. 肌の特徴は? | 乾燥しやすく荒れやすい | 赤みが出やすく敏感 | しっとりして潤いが多い |
| Q3. 髪の質は? | 細く乾燥して広がりやすい | 柔らかく少なめ、白髪が出やすい | 太く量が多く艶がある |
| Q4. 食欲の傾向は? | 不規則でムラがある | 強く規則的 | ゆるやかで消化が遅い |
| Q5. 消化の特徴は? | ガスや便秘になりやすい | 胃酸が強く下痢しやすい | 消化が遅く重く感じやすい |
| Q6. 睡眠の質は? | 浅く短い | 中程度で安定 | 深く長い |
| Q7. 話し方や動作は? | 早く落ち着きがない | はっきり力強い | ゆっくり落ち着いている |
| Q8. 性格の傾向は? | 想像力豊かだが不安定 | 集中力・判断力があるが批判的 | 忍耐強く穏やかで安定 |
| Q9. 感情の特徴は? | 不安・恐れが出やすい | 怒り・焦りが出やすい | 執着・無気力になりやすい |
| Q10. 好きな食べ物は? | 温かい料理・油分のあるもの | 辛い・酸っぱい・濃い味 | 甘いもの・脂っこいもの |
| Q11. よく出る不調は? | 冷え・便秘・不眠 | 胃痛・肌荒れ・炎症 | むくみ・肥満・倦怠感 |
| Q12. 運動の傾向は? | 活発だが疲れやすい | 持久力があり競争好き | 動きは遅いが持続力がある |
| Q13. ストレス時の反応は? | 不安・緊張で落ち着かない | イライラして怒りやすい | 何もしたくなくなる |
正確な診断に必要な方法
チェックリストは手軽ですが、本当に体質を知るなら専門家の診断を受けるのがおすすめです。
アーユルヴェーダの専門家は、脈や舌の状態、体つきや話し方などを観察し、生まれ持った体質(プラクリティ)と乱れた状態(ヴィクリティ)を見分けます。
セルフチェックはあくまで目安。
不調が続くときや自分のタイプが分からないときは、専門家に相談するとより自分に合ったケアが選びやすくなるでしょう。
各ドーシャの特徴と不調傾向

3つのドーシャは、持って生まれた強みや魅力だけでなく、つまずきやすいポイントや不調のサインも異なります。
ここからは各ドーシャの特徴と、バランスを崩しやすい傾向について見ていきましょう。
ヴァータ(風タイプ)
ヴァータは「風と空」のエネルギーを持ち、動きや変化をつかさどるドーシャです。
体格は細身で痩せやすく、肌や髪は乾燥しやすい傾向があります。
行動や思考は素早く、創造力に富んでいるのが大きな魅力です。
その一方で、落ち着きを失いやすく、気分が不安定になりやすい面も。
冷えや便秘、不眠、神経の疲れなどが出やすく、忙しさや季節の変わり目に調子が乱れがちです。
規則正しい生活を心がけ、温かい食事で体をいたわることが、バランスを保つための大切なポイントです。
ピッタ(火タイプ)
ピッタは「火と水」のエネルギーを持ち、消化や代謝、知性をつかさどるドーシャです。
体格は中肉中背で筋肉質、顔色に赤みが出やすく、食欲も旺盛で消化力が強いタイプです。
性格は情熱的で頭の回転も早く、行動力があり、人を引っ張っていくカリスマ性があります。
その一方で、バランスを崩すと怒りっぽくなったり、胃腸の不調や肌の炎症につながることも。
特に夏の暑さには弱いので、体を冷やす食材を選んだり、気持ちを落ち着ける時間を持つことが体を整えるポイントです。
カパ(水タイプ)
カパは「水と地」のエネルギーを持ち、安定や滋養をつかさどるドーシャです。
体格はしっかりしていて体力もあり、肌や髪に潤いが多いのが特徴。
性格は穏やかで忍耐強く、一緒にいる人に安心感を与えるタイプです。
人間関係を和ませる力も、この体質ならではの魅力といえます。
ただ、バランスを崩すと代謝が落ちやすく、体重増加やむくみ、だるさ、無気力といった不調につながることも。
特に春先や湿度の高い時期は乱れやすいため、体を動かす習慣をつくったり、軽めでスパイスのきいた食事を心がけたりするとドーシャが整いやすくなります。
体質診断を活かす生活・食事習慣・セルフケア

体質診断で自分のドーシャが分かったら、次はそれをどう日常に生かすかがポイントです。
アーユルヴェーダでは「食事・睡眠・運動・心のケア」を体質に合わせて整えることで、心と体のバランスがとりやすくなると考えられています。
たとえば、ヴァータの人には温かい食事と規則正しい生活、ピッタの人には気持ちを落ち着ける工夫、カパの人には体を軽く動かす習慣が向いています。
特別なことをしなくても、日々のちょっとした選択を自分のタイプに合わせていくだけで、自然とセルフケアにつながります。
アーユルヴェーダ体質診断を活用する際の注意点

体質診断はセルフケアの参考になりますが、結果は断定せず目安にしましょう。
診断にとらわれすぎて無理をするとかえって不調につながることもあります。
「体質に合うかどうか」以上に「自分が心地よいかどうか」を大切にすると、自然と長く続けられます。
日本人に合わないといわれる理由
アーユルヴェーダは暑く乾燥したインドの気候の中で発展しました。
そのため、湿度が高く四季のある日本では、そのまま取り入れると違和感を覚えることもあります。
さらに、日本人の体格や食文化はインドとは異なり、スパイスや油分の多い食事が合わない人もいるでしょう。
とはいえ、「体質に合わせて調整する」という基本の考え方は同じです。
日本の四季や身近な食材に合わせて工夫すれば、無理なく続けられます。
習慣化するポイント
アーユルヴェーダを暮らしに根づかせるコツは、難しく考えず「小さな習慣を続けること」です。
たとえば、ヴァータ体質なら朝晩に白湯を飲む、ピッタ体質なら寝る前に深呼吸や瞑想で気持ちを落ち着ける、カパ体質ならエレベーターではなく階段を使う。
そんな工夫だけでも十分です。
「絶対にこうしなきゃ」と思うと続かなくなるもの。
心地よさを感じられる範囲で取り入れることが、無理なく習慣にするいちばんの近道です。
アーユルヴェーダ体質診断で自分の体質に合ったケアを知ろう
アーユルヴェーダの体質診断は、自分のドーシャを知り、日々の暮らしを整えるヒントになります。
ただし、結果に縛られる必要はありません。
大切なのは「自分にとって心地よい習慣」を見つけること。
無理のない範囲で体質に合った工夫を続けていくだけで、心と体のバランスは自然に整い、毎日がぐっと快適になります。
体質診断をセルフケアのきっかけに、自分らしい健やかな暮らしを楽しんでみてください。
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