アーユルヴェーダ診断でわかる自分に合った食事法|体質別ポイント
アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダでは、万人に良い食事は存在せず、自分の体質に合う食事こそが健康の鍵だと考えられています。
この記事では、ドーシャ別に、毎日の食事をどう整えればよいかをわかりやすく解説します。
自分の体に寄り添う食べ方で、心と体のバランスを取り戻しましょう。
アーユルヴェーダ診断とは?食事を変える前に自分の体質を知ろう

アーユルヴェーダでは「食べること」も立派なケアのひとつ。
でも、その前に大切なのは、自分の体質を知ることです。
自分の体質を知ることで、自分に合った食事を選びやすくなります。
アーユルヴェーダの基本と3つのドーシャ
アーユルヴェーダは、古代インドで生まれた「生命の科学」。
健康とは、心と体、そして自然とのバランスが取れた状態を指します。
その根底にあるのが、ドーシャと呼ばれる3つのエネルギー(ヴァータ・ピッタ・カパ)です。
人は、3つのエネルギーを異なる割合で持ち、どのドーシャが強いのかによって「体質」や「合う食事」が変わってきます。
診断でわかること|消化力や食の傾向が異なる理由
アーユルヴェーダ診断では、外見や体型だけでなく、消化力(アグニ)や心の傾向にも注目します。
たとえば同じ食べ物でも、「すぐお腹がすく」「胃が重い」と感じる違いは、ドーシャのバランスによります。
診断を通じて自分のエネルギータイプを知ることで、何を食べるかだけでなく、どう食べるかのヒントも得られます。
自分のドーシャをチェックしたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
ドーシャ別に見る「食事法の原則」と考え方
アーユルヴェーダの食事法は、「何を食べるか」よりも「どう食べるか」が大切です。
ドーシャの性質を理解すると、体が求めている味や食べ方の意味が見えてきます。
アーユルヴェーダ食事法の基本理念
アーユルヴェーダでは、食べ物は薬にも毒にもなると考えられています。
同じ野菜やスパイスでも、季節・時間・体質によって体への作用は変化します。
大切なのは、自分の今の状態に合った食べ方を選ぶことです。
また、食事は単に栄養を摂る行為ではなく、心と体の調和をつくる時間でもあります。
よく噛み、感謝して味わうことが、どんな食材よりも深い癒しにつながります。
「食べること=生きること・整えること」という考えが、アーユルヴェーダ食事法の基本です。
「逆性質」で整えるという考え方
アーユルヴェーダでは、「同質が増やし、異質が鎮める」という原則があります。
体内で強くなっている性質と反対の性質を取り入れることで、バランスを取り戻せるという考え方です。
たとえば、ヴァータが乱れて乾燥しているときは、温かく湿った食事、ピッタが強まり、イライラしているときは、冷たく刺激の少ない食事、カパが増えて重だるいときは、スパイシーな食事を選ぶと良いでしょう。
六味(甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味)をバランスよく摂る
アーユルヴェーダでは、食事を甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味の「6つの味(六味)」で分類します。
一つの味に偏らず、六味をバランスよく取り入れることがドーシャ調整の基本です。
六味の作用は以下の通りです。
| 味 | 作用 |
|---|---|
| 甘味(あまみ) | 滋養・保湿 |
| 酸味(さんみ) | 消化促進・活性 |
| 塩味(えんみ) | 体温保持・安定 |
| 辛味(からみ) | 代謝促進・発汗 |
| 苦味(にがみ) | 解毒・冷却 |
| 渋味(しぶみ) | 収れん・鎮静 |
ヴァータ(風タイプ)体質に合う食事法

ここからは、ヴァータ体質の人に適した食事法を紹介します。
おすすめの食材・調理法
ヴァータは、温かく油分のある、落ち着きを与える食事が理想です。
冷たいものや生野菜よりも、火を通した料理を中心に献立を立てましょう。
おすすめは、具だくさんスープや豆の煮込み、温野菜、リゾットです。
ギーやオリーブオイルを少量加えると、消化の助けになります。
根菜類や乳製品も、乾燥しがちな体を内側から潤すのに役立ちます。
スパイスは、ショウガ・シナモン・クミンなどの温性タイプを中心にして、刺激が強すぎるものは控えましょう。
控えたいもの
ヴァータ体質の人は、乾燥・冷え・不規則な食生活で体調を崩しやすい傾向があります。
冷たい飲み物、氷入りのドリンク・生野菜・スナック菓子・コーヒーは避けるのがベターです。
また、過度な断食や食事抜きはやめましょう。
忙しい日でも、朝に白湯を1杯飲む・夜は温かいスープで締めるなど、小さな習慣の積み重ねが心身を安定させてくれます。
ピッタ(火タイプ)体質に合う食事法

次は、ピッタ体質の人に最適な食事法を紹介します。
おすすめの食材・調理法
ピッタは消化力(アグニ)が強く、食欲旺盛で、体温も高めな人が多いのが特徴です。
そんなピッタには、水分を多く含み、熱を冷ましてくれる食事がおすすめです。
きゅうり・ズッキーニ・アスパラガス・ブロッコリー・葉野菜などの水分を多く含む野菜や、りんご・メロン・バナナ・ぶどうなどの果物は、ピッタの熱を和らげてくれるため、積極的に摂取しましょう。
乳製品(ミルク・ギー・バター)もピッタの熱を緩和する作用があります。
調理は蒸す・煮るなど、火を穏やかに使う方法が最適です。
カレーや炒め物のようにスパイスを多用する場合は、ターメリック・コリアンダー・フェンネルなどのマイルドなスパイスを選びましょう。
控えたいもの
辛味・酸味・塩味が強い料理や、アルコール・コーヒー・揚げ物・チョコレートは、体内の火をさらに強め、炎症や消化トラブルの原因になります。
また、ストレスを感じたときは、ピッタの熱をクールダウンできる、冷たいハーブティーで心を落ち着かせましょう。
カパ(水タイプ)体質に合う食事法

次に、カパの人におすすめな食事法を紹介します。
おすすめの食材・調理法
カパは、蒸す・炒める・軽く煮るなど、水分を飛ばすことを意識して、腹八分目を心掛けましょう。
適度な食事量に抑えることで、消化力(アグニ)が働き、むくみやだるさを改善できます。
おすすめは、スパイスを使った温野菜・豆料理・スープ・雑穀粥です。
根菜類や葉野菜を中心に、油は控えめにしましょう。
スパイスは、ブラックペッパー・ショウガ・ターメリック・カルダモンなど、代謝を促す熱性のスパイスがおすすめです。
飲み物は、白湯やジンジャーティーなど温かいドリンクを選ぶのがおすすめです。
控えたいもの
カパ体質の人は、甘味・冷性・油性の強い食べ物を摂りすぎると、体の重さ・倦怠感・体重増加につながりやすくなります。
乳製品・揚げ物・甘いスイーツ・パンや小麦製品・冷たい飲み物・炭酸・アルコールの取りすぎに注意が必要です。
ドーシャ別に見る「スパイスと調味料」の使い方

アーユルヴェーダの食事法では、味にも体を整える力があると考えられています。
食卓を彩るスパイスと調味料の性質を知れば、毎日の食卓が豊かに変わります。
各ドーシャに合うスパイス
スパイスは、食の薬と呼ばれるほど重要なアイテムです。
香りや味によってドーシャを整える働きがあります。
| 体質タイプ | おすすめのスパイス | 主な作用・ポイント |
|---|---|---|
| ヴァータ(風タイプ) | ショウガ・シナモン・クミン・アジョワン | 体を温めて巡りを良くし、消化をサポートする。冷えや乾燥対策にも◎ |
| ピッタ(火タイプ) | コリアンダー・フェンネル・ターメリック・カルダモン | 体の熱を和らげ、炎症やイライラを鎮める。穏やかなスパイスが好相性。 |
| カパ(水タイプ) | ブラックペッパー・ドライジンジャー・マスタードシード | 重さを軽くし、代謝を促進。むくみやだるさを改善しやすくなる。 |
料理に少し加えるだけでも香りが立ち、体が喜ぶのを感じられるはず。
香りを楽しむ感覚で、気軽に取り入れてみてください。
オイル・塩分の選び方
アーユルヴェーダの食事法では、オイルと塩もバランスを左右する重要なポイントです。
| 体質タイプ | おすすめのオイル | ポイント |
|---|---|---|
| ヴァータ体質 | セサミオイル・ギー | 温性で潤いを与え、乾燥しやすい体を内側から整える。 |
| ピッタ体質 | ココナッツオイル・オリーブオイル | 体を冷やし、熱を持ちやすい体質を穏やかにする。 |
| カパ体質 | グレープシードオイル(控えめに) | 軽い性質を持ち、油分の摂りすぎを防ぐのに適している。 |
塩はミネラルを含む岩塩・海塩がおすすめです。
体質に合わせて「少し減らす・少し増やす」を意識するだけで、味覚も感覚も整います。
アーユルヴェーダ流食事法の注意点

自己流の食事方法を継続すると、ヴァータのバランスを崩すことがあります。
アーユルヴェーダ流の食事方法を実践する前に、押さえておきたいポイントを紹介します。
極端な食事制限・断食に注意
アーユルヴェーダの考え方は「バランス」が基本です。
特定の食材を極端に避けたり、断食を繰り返したりすると、かえってドーシャのバランスが乱れてしまいます。
体調が優れないときは、消化にやさしいスープや粥などの軽い食事に切り替える程度で十分。
無理に食事を制限するよりも、「今の自分に合うリズムを整える」ことを意識しましょう。
医療や薬の代替ではない
アーユルヴェーダの食事法は、あくまでセルフケアの知恵として生活に取り入れるものです。
持病や慢性疾患がある場合、医師の診断や治療を優先しながら、アーユルヴェーダの食事法をサポート的に活用するのが理想的です。
また、スパイスやハーブの過剰摂取は、体調悪化の原因になります。
「自然のものだから安全」と思い込みすぎず、体の反応を見ながら少しずつ取り入れましょう。
まとめ|診断でわかる自分に合う食事が、体を整える第一歩
アーユルヴェーダ診断を通して、自分の体質(ドーシャ)を知ると、「なぜその食べ物が合わないのか」という理由が見えてきます。
アーユルヴェーダの考えをもとに、自分に合った食事を選べるようになると、体を無理なく整えられます。
白湯を飲む、スパイスを一つ変えてみる、食事を味わう時間を少し増やす。
その小さな変化が、心と体のバランスをやさしく整えてくれます。
食べ方を整えることは、自分を大切にすることです。
毎日の食事が、あなたの心と体を整えてくれるでしょう。
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